群論のページ

群とは

群というのは,もともと数学で扱われるある種の集合なのですが,物理では対称性を議論するためによく用いられています.ここでは,特に結晶の対称性を表現するときに使われる群を中心に紹介します.

様々な群の表

点群(Koster群)pdf 広義回転群の部分集合です.結晶点群は32個あります.
subperiodic群pdf 低次元の並進と回転を組み合わせた群で,日本語ではなんというのか分かりません.強引に訳すと,7個の帯群,75個の棒群と,80個の層群があります.
空間群(Fedorov群)pdf 230個あります.まだ全ては理解していませんが,特にorthorhombicは理解しがたいものがあります.
磁気点群(Shubnikov群)pdf 122個あります.空間反転と時間反転の関係が堪能できます.表記にはいくつかの流儀があるようですが,ここではprimeで時間反転対称性を表しています.
磁気subperiodic群pdf 31個の磁気帯群,394個の磁気棒群と,528個の磁気層群があります.日本語は自信がありませんが.
磁気空間群pdf 1651個もあって,打つだけでも大変でした.番号等は,決まっているのか分かりません.一次元と二次元のものもつくらないとなあ.
結晶形とpoint formpdf, html(結晶形のみ) 等価な面の集合を結晶形,等価な点の集合をpoint formといいます.点形とでも訳すのでしょうか.
四次元点群の要素pdf 三次元では広義回転は10種類しかありませんが,四次元だとdouble rotationなども出てくるので,24種類もあります.
あと残された表としては,一次元と二次元の磁気空間群ですね.一次元と二次元の点群も抜けていることにも気づきましたが,これは簡単だから良いでしょう.まあ気が向いたが更新するかも知れません. 四次元の点群は勉強中でまだ載せられる段階になっていませんが,自分なりに納得したら載せるつもりです. 表記法もまだ完全には決まっていないようですが.incommensurateを記述する高次の空間群もあります.これらは高次のsubperiodic群になっていると思うのですが.それから五次元を越えるとBravais格子の概念がややこしくなる気がするのですが,誰か知っている人はご教授頂けるとうれしいです.

rubyで群論

上の表にあげたように,群にはたくさんの種類があり,これらをすべて理解するのは難しそうに感じます.しかし,少数のいくつかの規則からつくり出すことができ,その成り立ちを理解することで,群の理解が深まります.このような考えから,群を生成するrubyのクラスを書いてみました.Herman-Morgan表記から,群の構造を調べるもので,実用的な価値は無いと思います.CGIのページの点群の部分に使われてはいますが.ソースを見てもらえば分かると思うのですが,それぞれの群に関する知識は持たず,いくつかの基本的な規則のみから群を生成しています.
回転群クラス 回転軸や結晶系に関する情報を含んでいるために比較的長くなっています.
点群クラス 回転群クラスのスーパークラスとして定義しているので,空間反転が加わることによる処理のみを記述しています.
磁気点群クラス 点群クラスのスーパークラスとして定義していて,時間反転を加えています.もっとスマートなやり方があるとは思うのですが,適当に書いてしまいました.時間反転はquotationで書いて下さい.
Affine変換クラス 空間群を扱うためにAffine変換を扱うクラスを作りましたが,世の中にはもうもっと素晴らしいものが存在するのだと思います.でも,探すのが面倒なので書いてしまいました.
空間群に関しては,例外規則が多く,まだすべての群を生成することができないので,公開はしていません.I212121やorthorombicのものなど以前に,克服しなければならない問題がいくつもあります.時間のかかる処理をすればなんとかなるものもありますが,あまりスマートではないし,良い考えが浮かびません.いずれにせよ.setting等は人間が勝手に決めたものでしょうから,導けませんが.